2009年7月22日水曜日

企業と広告、女性と化粧。

以前、DoveがYouTubeで展開した、Evolutionというキャンペーンを覚えているでしょうか。
女性が、化粧と撮影と画像加工によって美しい姿となり、それが広告として貼り出されるという内容でした。

このキャンペーンの上手さはそのインパクトだけではなく、女性の化粧を広告というメタファーに置いたところにもあったように思います。
企業と広告の関係は、女性と化粧の関係と近いのではないでしょうか。
両社の目的を、分かりやすく示してみましょう。
  • 女性は、自分を良く見せるために化粧をする。
    (副次的な目的として、自分に自信を持つことができる。)
  • 企業は、自社を良く見せるために広告をする。
    (副次的な目的として、自社に自信を持つことができる。)
やはりこの2つには非常に近いものを感じるのです。
広告の話をする時に、企業と消費者の関係性は男女の関係性に例えられることがよくありますが、広告はラブレターなどではなく化粧だったのではないでしょうか。

70~80年代の女性の写真を今見ると、なんだか違和感を感じます。
それは化粧が濃く、今とは化粧の仕方が違うからです。
それに比べ今の女性は、より自然な感じの化粧が多い気がします。
(一方で、化粧が濃くてもその方法によっては全然アリだったりもするようですが)

今までは「濃かった」広告も、それが誇張だと分かった途端に男たちは引いてしまう。
だからこれからは、きっとナチュラルメイクが多くなります。
それは、その企業本来の良さを引き出す広告です。

もちろん、化粧をすることで女性はより美しくなれます。
しかしながら、自分の前でスッピンになってくれない女性と、男は結婚しようと思うのでしょうか。
男はずっと化粧をしているよりも、自分の前でスッピンになってくれる女性を好むようです。
(そして男がスッピンだと思っているそれは、ナチュラルメイクだったりもするのかもしれません)

だから、もう厚く塗りたくるだけの広告はやめませんか?
ファンデーションやマスカラをどれだけ消費したかで化粧のうまさを測るのは何か間違っている気がします。
これからはもっと自分を正直にさらけ出さないと、一生付き合いたいと思ってくれる男性は現れませんよ。きっと。

そんなことを考えながら、今日は帰ってきました。