2009年6月27日土曜日

いちはてブユーザーとして、ヱヴァタイアップには強く抗議したい。

ただの意見表明だけど、これは言っておきたい。

本日から、はてなブックマークのトップページが「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」の公開に合わせてタイアップデザインになっている。


そこまではいい。
ターゲットも合っているだろうし、デザインで遊ぶのも良いと思う。

ただ、どうしても納得出来ないのが「いま話題」欄までヱヴァタイアップになっていることだ。
ここははてブで話題になっているものを表示するスペースであって、決して広告枠ではなかったはずだ。
本当に話題になっているのかとも思ったが、バナーが貼ってあるので恐らく広告枠として売ったのだろう(再追記:広告枠ではなく、金銭の授受は無いとのこと。追記と訂正、およびコメント欄をご覧下さい)。
仮にもはてなブックマークという、それなりにユーザーが居るメディアを持つ企業がこれをやってはいけないと思う。
メディアはユーザーに対して、コンテンツと広告の違いを明示する必要がある。
もしもこれが許されるなら、Yahoo!はニュースのリンクに広告を紛れ込ませてもいいし、検索結果とリスティング広告を混ぜて表示してもいいことになってしまう。

誰も言及している人が居なかったから、みんなそんなに気にしていないのかもしれないけれど、はてブがソーシャルメディアとしての最低限の健全性を守って成長していくためにもこのラインは守ってほしいと思う。
というわけで、はてな好きだからこそ断固反対するエントリ。

(あわあわしながらの)追記と訂正。
コメント欄にて、id:naoyaさんが直々に答えて下さいました。
今回のタイアップは広告欄ではないとのことです。
自分の早とちりもあり、こちらに関しては大変失礼致しました。
ただ、やはりはてなブックマークはソーシャルメディアですし、「いま話題」というのは話題になっていることを載せて欲しいというのが個人的な思いです。
「●●欲しい!」等の分かりやすく、ユーザーも嬉しいプロモーションは大好きですので、提示の仕方を少し変えて頂けるとベストかと思います。

こうやってユーザーに直にコミュニケーションを取る姿勢はすごいと思います。
あと、基本的にははてな大好きです。
今後とも宜しくお願い致します。

2009年6月20日土曜日

ぐるなび「赤坂もつ千」に見る、これからのマーケティングのポイント5つ

はてなブックマークで、あるもつ焼居酒屋が話題になっています。
それが、ここ。

もつ焼き処 赤坂もつ千
http://r.gnavi.co.jp/e432800/

読んでもらえば分かるのですが、とにかく宣伝方法が凄い。
「ご予約は丁寧にお断り中!!個室ももちろんご用意しておりません!!」から始まり、とにかく自分のお店を卑下しまくるという内容です。ざっくり言うと。

で、たぶんやっている側は全く意識していないと思うんですが、この手法には、幾つかの重要な要素が隠れている気がします。
今回はそれをちょっとまとめてみましょう。
  1. リスクを負うことで生み出す信用
  2. ネタ性でつくる話題
  3. 自分で確かめるための行動喚起
  4. 期待値調整
  5. 根幹となる商品・サービス

2009年6月14日日曜日

Amazon Kindle DX買ってみた。使ってみた。レビューしてみた。

こんにちは。初投稿のtadateruです。
僕の詳しい自己紹介は今度します。

どちらかというとKindleの方を一刻も早く紹介したいです。

僕は現在サンフランシスコ在住なのですが、本日、注文していたAmazon Kindle DXが届きました。



実はアメリカには引っ越してきたばかりで、デジカメは持ってきたもののSDカードリーダーやUSBケーブルが無いというお粗末な状況です。奇麗な写真は時間があれば後から追加するとして、日本語最速レビューを目指してiPhoneのカメラで頑張りたいと思います。
わくわくしすぎて何も考えずに一回起動しちゃったので、今回は開封時の再現からはじめます。

* * *


まず箱から。

さすがAmazonというべきか、全体的に段ボールの"味"をうまく使っています。
写真は可愛いバーコード。




段ボールの内側が上質の黒です。ちょっと驚きました。



内蓋を取ると、いきなり本体。いい感じです。

ちなみに、画像ではなにやら絵が表示されちゃってますが、
電子ペーパーの画面には初め、
電源ケーブルを挿したら起動するよって書いてありました。

起動前の製品にありがちなシールによる表示じゃないのが、
書き換え以外電力要らずの電子ペーパーならでは。





本体を抜いたら、電源ケーブルと、本当に簡単な説明書だけ。


* * *

本体について


起動したての画面。さっきのバーコードはこの絵ですね。



外観はこんな感じ。持ってみた感じは非常に軽い。そして薄い。



裏面はステンレス?
安っぽさと軽量化をギリギリのレベルでバランスとってる感じ。

鉛筆と比較する人は多いと思いますけど一応やってみました。


起動してすぐに、携帯電話ネットワーク網とつながったようで、
何もしてないのに"welcome tad!"的なファイルがでてきて驚きました。
Amazonアカウントと連動してるから何の設定も必要ないみたい。





操作の系統はシンプルなのですが、結構使いづらいです。
各ボタンが小さいのとフィードバックが弱いのとで、
操作している時のクリック感や気持ちよさはないです。

右端の正方形のボタンが5way key(クリッカブルな十字キー)です。

* * *

Kindle Store、読書と読書の円滑化


本体内にPDFの詳しい取説が入っていますが、もちろん取説など読みません。
すぐにMenuボタンからKindle Storeにアクセス。
Amazon.comと同じリコメンドや、新聞や雑誌等のメニューが並びます。



キーボードから入力。予想通り少し打ちづらいです。 inside steve's br...

brain!

読みたかったけどKindleのためにとっておいた本です。
Kindle価格は少し安くなっているみたい。
でもAmazon.comで見ても同じぐらい安かった(+$2)です。


買う前にサンプルが読めるようなのでTryしてみます。


ダウンロード中の画面です。
サンプルのダウンロードは1分程度で終わりました。




ここまで、ネットワーク関係の特別な設定は何もしていません。
携帯電話のネットワーク網を使っているんですよね。
通信費も気にしなくていいみたいです。


Cover。



目次はハイパーリンクになっていて、飛べます。



電子ペーパーの解像度が高く、視認性はとってもいいのですが、
コントラストの低さや反射が少し気になる時があります。


5way keyを操作すると単語ごとにカーソルが動きます。
辞書機能はどこかと一瞬探したのですが、なんと!
目当ての単語にカーソルを置いただけで自動的に意味を表示してくれます。
速い…。これはとっても助かります。


試しに"Jobs"で調べてみると・・・
ふむふむ、
Steven (Paul) (1955- ) U.S. computer entrepreneur. He set up the Apple Computer...
って、Steve Jobs本人じゃないですか。
なるほど、ニュース記事を読む時のために、
各界の著名人も辞書入りしてるわけですね。

素晴らしい!外国人には本当に助かります!



ちなみにここでエンターキーを押すと、
読んでいた本は一度閉じられて辞書が開きます。

意味がたくさんある語句は簡易版では表示できませんからね。





BACKボタンを押せばすぐに読書に戻れます。
操作系統で唯一誉めてあげたいのはこのBACKボタンです。
直前の動作が何であるかに関わらず、戻ってくれるようです。
決定ボタンの真下にあることで、操作がかなりスムーズです。




5way keyをクリックする(不安げに押し込む)と、
ハイライターの機能が使えます。

キーボード入力でノートを付けることもできます。
(写真は時間ある時にでも撮ります)



ハイライトした部分やノートを付けた部分は、
あとからまとめて確認することができます。
前後の文脈まで表示してくれて、よく出来ています。

もう付箋を貼ったりページの端を折り曲げたりしなくていいんですね!




もちろん、検索もできます。

検索結果の画面も、前後の文脈を合わせて表示してくれます。




文字サイズや表示領域を変えることができます。
変更後の写真は割愛。


text to speechと見えると思いますが、この機能はちょっと感動しました。
テキストを割と流暢に読み上げてくれます。
ちょっと不自然な読み上げもたまにありますが、
読む←→聞くをシームレスに行ったり来たりできるのは、
ちょっと新しい体験ではないでしょうか。


* * *



PDF閲覧機能


USBケーブルで本体とPCを繋げば、
PDFを転送して閲覧できると聞いたのでやってみました。


PDFを表示してみました。

ちなみに写真の方は大学時代の恩師で、
その下の写真は僕が彼の研究会に所属していた時の活動です。




傾けた方向に自動的にrotateします。この機能は切ることもできます。
寝っころがって読みたい時もありますもんね!


拡大しても、写真の質感は悪くないです。




次はScansnapでスキャンした本のデータです。
画像データのPDFなので文字化けしません。



漫画はこんな感じです。

・・・いいですね!最高!


個人的な話ですが、実は4年間(予定)の渡米が決まってから、
Scansnapで本や漫画を大量にスキャンしました。
PDFで本を数百冊持ってきているので、快適に読む方法を探していました。
Kindle DXは最高のパートナーになってくれそうです。



* * *


本とかPDFを読む以外の機能


prototypeまたはexperimentと宣言して、
いくつかの機能が付加的に入っています。

ウェブブラウザ、読書中の音楽再生、テキストトゥスピーチの3つです。



webを表示した時はこんな感じ。
日本語の文字は残念ながら表示されません。

スクリーンセーバ作動時の文豪画像が何十種類もあって、飽きない。
こういう工夫は使う楽しさや新鮮さをキープしてくれるので良いですね。


* * *



ふう、以上です。





総括


以上、あまりまとまりがなく散らかったレポートだったと思いますが、いかがでしたでしょうか。


僕自身は、電子ペーパーのデバイスは、2年前にiLiadを使っていたことがあるのですが、ただでさえレスポンスの遅い電子ペーパーディスプレイに、難解な操作系統を求められたため、ストレスに耐えながら使用していました。
その時に比べると、Kindleはかなり操作系統はシンプルだし、レスポンスも十分速いと思います。画面の解像度もグレースケールの階調もかなりアップしていて、2インチの差はものすごく大きく感じました。


ですが、Kindleの操作感も決して気持ちのいいものではないです。電子ペーパーのレスポンスはいくら速くなっても"待つ"感覚があります。表示の切り替えに即時性がないことは、レスポンス時間の問題だけではありません。アニメーションという、操作の気持ちよさやフィードバックの正確性を構成する上で重要な要素がすっぽり抜け落ちているため、電子ペーパー技術の進歩を待つ前に何らかの工夫が必要です。
また、入力インターフェイスに関しても貧弱なものであることは否めません。用途が閲覧なので、性質として入力頻度がそこまで高い機械ではないですが、ボタンに関しては見た目と生産のしやすさ重視な感じがムンムンです。配置や配列も改善の余地があります。総合的に見て、読書体験はまだ本の方が勝っています


とはいえ、現行の電子書籍端末と比較すると、完成度は非常に高いです。
日本にいる自炊派の電子書籍ユーザーが、単なるビューアとして買ったとしても十分に活用できるデバイスだと思います。(追記:日本語のフォントが埋め込まれているPDFファイルが読めるとの情報もあるようです。)
ちなみに(うろ憶えの知識ですが)他社も新製品を出しています。日本ではAmazon Kindleよりも手に入れやすい製品もあると思いますが、他の製品は帯に短し襷に長しなものが多いです。coolerは安いけど旧世代の電子ペーパーの在庫処分みたいな印象を受けますし、新しい大型のiLiadは機能を持たせすぎているためか価格が非常に高いです。Sony Readerも画面のサイズが足りない印象を受けています。液晶画面でもOKならcrunch padも選択肢に上がるかもしれません。



Kindleは、何の制約もなしに単純な転送だけでPDFがそのまま読めて、このサイズの電子ペーパー、この軽さと薄さを備えていながら$500という価格で、非常に競争力があります。まだ高いって言ってる方もいるみたいですが、今までの電子書籍デバイス状況を知っている身からすると、Kindle Storeが使えない分を差し引いてもまだ安く思えます。


近頃はiPhoneで読書される方も増えているようですが、専用機器でできるだけリッチな体験をするのも良いものだと思います。iPhoneの読書アプリにもかなりいいものがそろってきていますが、画面のサイズと解像度だけは変えようがありません。僕自身は、読書は画面の大きさで体験の豊かさがかなり左右されるように思います。
ということで、繰り返しになりますが、Kindleは日本在住の方でも、用途によっては十分考慮すべきデバイスです。


さいごに、深読み。
Kindleは一年半前に発売されたにも関わらず、もう三機種目ですが、果たしてどれだけ売れているのかは疑問です。サンフランシスコに来て一ヶ月、たくさんカフェに行きました。一台ぐらい見てもいいものですが、持っている人を見たことがありません。Amazonは最初から立て続けに新機種を発表することで話題を維持し続けつつ、アーリーアダプターだけに狙いを絞って電子ペーパーの価格を下げながら製品の品質をじわじわ向上させる戦略に出ているように思えます。かつてソニーや松下が消費者の顔色をうかがいながら新製品を恐る恐る出したのと対照的に、売れるか売れないかに関わらず新製品を用意し続けているKindle Projectには…Amazonの本気度を感じます。個人的にはKindle DXもAmazonの本命ではないような気がしています。
おしまい。



追記 (14日 AM2:58JST)

本体内のマニュアルには、ファイルのサポートについて以下のようにかいてありました。
(Kindle本体のハイライト機能によるテキスト抽出を使ってみました。)
==========
Kindle DX User's Guide (Amazon.com)
- Highlight Loc. 1119-26 | Added on Saturday, June 13, 2009, 10:31 AM

Supported Formats for Conversion In addition to the file formats listed above, you can also convert other personal documents to read on your Kindle. The supported file formats are listed below: • Microsoft Word (.DOC) • Structured HTML (.HTML, .HTM) • Text and RTF (.TXT, .RTF) • JPEG (.JPEG, .JPG) • GIF (.GIF) • PNG (.PNG) • BMP (.BMP) • Compressed ZIP (.ZIP)
==========

試しに手持ちのjpg漫画ファイルをzip化してみたら読めました。画面左上にディレクトリ構造らしき表示が見えると思います。表示はできるものの、画像サイズによっては少し重たいです。またjpgファイルの場合PDFと違ってページ移動のランダムアクセスができません。jpg自炊派の方には、あまり使い勝手がいいとは言えないかもしれません。
(やり方が悪いのか、zipとpdf以外のファイルの表示には今のところ何故か失敗しています…)

それから日本語はフォントが入っていないため、ファイル名の日本語は表示されません。また、自分ではまだ試していませんが、
日本語フォントが埋め込んであれば日本語表示可能。ただしフォントサイズ調節不可という報告をしている方もいます。

【Kindleに興味があるなら、こちらの記事もいかがですか?】
米書店Barnes & Noble 発表の電子書籍端末、nookがかっこいい。
書籍のデジタル化と自動翻訳で、出版市場が急拡大するという仮説
コピーと共有が当たり前の時代にコンテンツでお金を取る方法

2009年6月13日土曜日

Ubiquityのプレゼンが神憑ってる件

TechCrunchにて、GeeksOnAPlaneの東京2.0のレポートが公開されました。
特に、昨年の発表時にも話題になった、firefoxの拡張機能であるUbiquityのプレゼンは見逃せません。
TechCrunchにも書いてありますが、マイケル吉貴氏の同時通訳プレゼンがすごい。
必見ですw

Ubiquity: Command the Web with Language 言葉で操作する Web from mitcho on Vimeo.


ところで今回の東京2.0のテーマはwebと言語の関係とのことだけれど、個人的にはこの分野は確かにまだまだやれることが残っていると思う。
GoogleがリリースしたGoogle Translator Toolkitはかなり面白い。
http://jp.techcrunch.com/archives/20090610google-translator-kit-automated-translation-meets-crowdsourcing/

世界がwebによってフラット化されるためには3つ壁があって、そのうちの一つがこの言語だ。

2009年6月6日土曜日

夫婦間の対話と広告主と消費者間の対話の必要性



マイクロソフトによるバイラルキャンペーン。広告主を夫、消費者を妻として夫婦に見立て、一方的で妻のことを考えていない夫に対して、「離婚しましょ。対話になっていないわ。」と妻が三行半を突きつけているというメタファーの詰まった動画「The Break up」。

説明無用のわかりやすいキャンペーン。

Razorfish社のClient Summit09, Social Influence Marketing責任者Shiv Singh氏のプレゼンテーション

世界的に有名なインタラクティブエージェンシーRazorfish社恒例のクライアントサミットがラスベガスで開催された。このサミットはOmniture社が開催するOmniture Summitのように、自社の世界中のクライアントを集めて、次世代のマーケティングに関するプレゼンテーションを実施する場、特定クライアントのケーススタディを共有して学ぶ場、そしてそれぞれの広告主やパートナーたちがネットワーキングするイベントである。

Razorfish社は書籍「グランズウェル」などで知られているように、クライアントに対しても、自社の組織に対してもソーシャルテクノロジーの活用を推進している。また、この変化の激しいデジタルマーケティングの領域において、「Social Influence Marketing(TM)」を提唱し、いち早くグローバルにソーシャルの力を活用したマーケティング戦略を進めている先進的なエージェンシーである。

本稿では現在のRazorfish社の肝となっているSocial Influence Marketingの責任者であるShiv Singh氏のセッション「Art of the Idea: Big Idea 2: Social Influence Marketing」を取り上げたい。

Big Idea: Social Influence from on Vimeo.






このセッションで彼はSocial Infulence Marketingを推進するためのIdeaとして以下の5つを提唱している:
Idea1) - Customers cerating customers
Idea2) - Innovating with others or dying alone
Idea3) - Daring to take your whole budget into SIM
Idea4) - Knowing your cuntomers and their friends
Idea5) - Restructuring for the 21st century


Idea1)について触れたい。過去にピータードラッカーは「The purpose of a business is to create a customer (ビジネスの目的は顧客を創造することである)」という経営を説いた。ドラッカーは企業が顧客のニーズに対応するために、社会は企業に対して富を作り出す経営資源を委託しているとみる。企業はステークホルダーのためにあるのではなく、社会の中の1機関として存在し、「顧客の創造」を目的としていると言った。

確かにこれは完璧な理論であり普遍的だ。しかし、もし彼がまだ生きていれば現在のソーシャルワールドの現状を見て、「The purpose of a business is to create a customer who creates customers」と修正するだろうとShiv Singhは説いた。

企業からの一方通行のメッセージのみを顧客が受け入れてきた時代であれば、確かにそのままでもよかったかもしれない。しかし、顧客と企業、顧客と顧客が双方向にコミュニケーションを取れるようになり、顧客自身で情報を収集できるようになった現代では、企業の管理は及ばなくなる。これは良い面もあり、悪い面もあるかもしれない。

しかし、これを顧客が顧客を創造してくれると考えていく必要がある。良い製品やサービスを提供することができれば、顧客がその先の顧客に対して評判を伝えてくれ、自然発生的に顧客が増加していく。現在はソーシャルテクノロジーによってこのような基盤ができあがっている。

つまり、今しなければならないのは、既存顧客を大切に扱い、丁寧にコミュニケーションをとっていくことである。これは簡単なように見えて難しい。顧客の要求は常に高まっていくからだ。それに対応できなければ顧客や「顧客を創造する顧客」は離れていってしまう。そのため、Social Infulence Marketingでは顧客とのコミュニケーションを増加させ、常に求めるもの以上の価値を提供していく必要があると示した。

また彼はIdea5)として、このマーケティングの新世紀に合わせた組織体制の構築を早急に実施する必要性を述べており、ソーシャルの力を善用させるために全社的な体制に取り組むための組織例を示した。


一緒にブログを書いているAndyが最近口を酸っぱくして述べているように、日本国内の広告業界も再編が始まってきていると言える。オンライン側しか見てきていない人間として、マスメディアの業界について偉そうに言える立場では毛頭無いが、間違いなく人々はオンライン上で長い時間を過ごすようになり、可処分時間の消費をTVからインターネットへ移行してきている。特に若い世代は友人とのコミュニケーションにおいてそれが当たり前になっており、電車乗車中などの細切れの時間ですら、SNSやケータイ小説などのコンテンツに費やすようになってきている。今後もRazorfish社の先進的な取り組みをキャッチアップしていき、いかにして今の時代の消費者と上手に対話していけるのか、学んでいきたい。

既存広告メディアが凋落していく仕組みざっくりまとめ

おさらいエントリ。

全ての「こと(=行動目的)」が人々の時間を奪い合っている。
仕事でも、遊びでも、趣味でも、睡眠でも。
あらゆる商売は人に利用されることで価値を帯びるので、全ての商売が人々の時間を奪い合っていると言える。

ほとんどの商売はそのこと自体が収益に影響することは無い。
しかし、広告業だけは違う。
広告業は人に見られて初めて成り立つ商売であり、見てくれる総時間が多ければ多いほど効果が高い(と、言われている)。
つまり人々の時間が原資であり、これをどれだけ上手く奪ってこれるかが商売に直結する。
仕事や遊びや趣味や睡眠の時間を奪うのは中々難しいので(実際には奪うこともあり得るけど)、広告メディアは「暇な時間」に入り込む。
人々の暇つぶしを提供する一方で、広告を見てもらおうという戦略だ。

これまで、屋内での暇つぶしの王者はテレビだった。
外出した際の移動時間の暇つぶしは、新聞か、雑誌か、本だった。

そこに登場したのが、PCとケータイ。
これらはwebに接続出来る。
そしてwebには多彩なコンテンツがいくらでもあり、友人とのメールも出来る。
しかも無料でblogやメールを書く人が居る限り、コンテンツは無料だ。

暇つぶしごときにあまり金はかけたくない。
だから、暇つぶしを目的とした場合は、価格弾力性が大きくなる。
有料メディアは、無料で文字を書く人が居る限り、無料メディアに人々の時間を奪われ続ける。

いまコモディティ化しているのは、紙メディアでも文字メディアでもない。
あくまでも暇つぶしのためのメディアがコモディティ化しているのだ。
これを理解しているか否かが、次のメディア作りに非常に重要になってくると思う。
「暇つぶしメディア」がコモディティ化したとすれば、メディアは「暇つぶし」以外の目的を持たなければ生き残れないと思う。

参考
Wikipedia : コモディティ化

2009年6月4日木曜日

ついに公開になった新デバイス「Crunch Pad」がカッコイイ件

Amazon Kindle DXの発売日が決まりGoogleも電子書籍への参入を発表、国内ではauが電子書籍ケータイをリリースとにわかに盛り上がりを見せ始めている電子書籍/新聞デバイスですが、
以前からTech Crunch主導で開発された電子デバイス、Crunch Padがとうとう初お目見えです。
その動画がこちら。



これはかなり良い仕上がりなんじゃないでしょうか。
以前の記事によれば価格は$250以下とのこと。これは欲しい!!

詳細はこちらの記事で。
http://jp.techcrunch.com/archives/20090603crunchpad-the-launch-prototype/

新聞社・出版社の人たちは紙メディアの凋落をどう見てるのだろう。

米国の新聞業界における広告売上が本気で危ないことになっています。
http://jp.techcrunch.com/archives/20090602from-terrible-to-terrifying-newspaper-ad-sales-plummet-26-billion-in-first-quarter/

日本は元々新聞大国だからここまで行くにはもう少し時間があるような気が(個人的には)しますが、それも時間の問題かと思います。
また、昨年は国内での雑誌の「休刊」が相次ぎました。
国内に限って言うとこちらの変化の方が新聞よりも早く訪れたという印象です。

私の知っている限り、同年代で新聞社・出版社に入社された知人・友人の方々はみんな優秀ですごい人ばかりです。
これまでマスコミと言えば人気業界でしたし、大手であれば給料もかなり貰える状況でした。
然しながらこの調子で紙メディアの売上が落ち続けたら、給料は落ちるばかりだと思います。
最近でも朝日新聞のボーナスが40%カットになるのではないか、という噂が流れました。
http://www.j-cast.com/2009/05/23041592.html

上に居座っている「偉い」人々は、年齢的に逃げ切れる人も多いです。
彼らは今のビジネスモデルを変えずに、痛みを感じずに、最後まで高い給料を貰い続けることを望むのだと思います(すみません、実態は知りません。憶測です)。
でも自分達の代はそうは行かないはずです。
そうなった時に新聞社・出版社の方はやめるのでしょうか。或いは給料が下がっても働き続けるのでしょうか。
それとも、別のビジネスモデルを発明して会社を生きながらえさせるのでしょうか。

新聞社・出版社の人達はその辺りをどう考えているのかを、すごく知りたい。
「ネットが収益を奪う」とか凄くナンセンスだと思うのです。
個人的には無くなってほしくないのです。形を変えて生き延びてほしいのです。
俺ら若手世代も、次のモデルを考えたりしましょうよ。
ということを強く言いたいし、出来れば新聞社・出版社・ネット業界を集めてそういう話がしたい。

2009年6月2日火曜日

新検索エンジンBingよりも面白いMicrosoftのプロジェクト

昨日Microsoftの新検索エンジンBingが公開されました。
結構いろんなところで評価されて話題になっているようです。
でも個人的には、同じMicrosoftでも今日発表されたこっちの方が面白いです。
Microsoft XBOXのProject NATALです。
こちらの動画をご覧あれ!



一番の問題は、日本の狭い住宅事情ではほぼ出来ないことです。
まー元々シェアが無いから切り捨てたんでしょうが・・。