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2010年4月15日木曜日

自炊派電子書籍ユーザーの視点からiPadの素晴らしさをレビューしてみた

どうも。ruwonです。
現在、渡米中のtadくんからついにiPadが届けられたので、日本でiPadを買おうかどうしようか迷っている方の参考になれば、という気持ちでレビューしたいと思います。
(日本での発売日は延びてしまいましたが・・・)

結論から言うと、「自炊派電子書籍ユーザーは買って間違いなし」です。
ようやっとPDFにした雑誌を外で読むのに適した端末が出たのだと断言できます。
(今まで自分は屋外での雑誌閲覧は工人舎のSCシリーズを使っていました)

ちなみに「自炊派」とは書籍なんかを裁断→スキャンして自分で電子書籍化する人たちのことです。

2010年1月30日土曜日

iPhoneやiPadがどうしてもシングルタスクな理由

今週、Appleのタブレット端末iPadが発表されましたね。
色々な人が色々な事を言っていますが、iPadに対してもマルチタスク非対応を嘆く声が非常に多いことをtwitterやblogの反応で知りましたので、今日はなぜiPhoneやiPadがシングルタスク志向なのか、という話をしようと思います。

iPadといえば、発表直前のGizmodoの予想記事に、かつてAppleの開発者でありMacintoshプロジェクトを立ち上げたジェフ・ラスキンのモーフィング・コンピュータについての紹介が載っていました。
「AppleタブレットのUIはズバリこうなる!(動画&予想図)」すごくいい記事で、とても楽しく読ませていただきました。

iPhone/iPadのシングルタスクへの執着には、「マルチタスク汎用機」ではなくて、「必要な時にいろんな専用機に変身できる多機能機」という基本的な設計思想があると思います。ここを理解しておくと、なぜわざわざマルチタスクを制限するようなことをしているのか、分かりやすくなると思います。

昔からコンピュータ業界では専用化か汎用化かという議論がありました。ジェフ・ラスキンが活躍していた当時はコンピュータの使い勝手がこれでもかというぐらい悪く、またコンピュータを小さくできる技術が見えていた頃だったので、デザインの方向性が用途への最適化かそれとも汎用化か、というところで分かれていたのはすごく納得できます。デザイナー側から見ると、汎用機としての性能を重視することは闇雲に計算性能を向上させることに見えますし、テクノロジストから見ると、技術が未熟な状態では製品のコンセプトがよくても真価を発揮できずに「早すぎた」と言われてしまうことはとても歯がゆいでしょう。

実際の時代の流れをマクロに見たときには、汎用化思想と専用化思想は車の両輪のようなものです。コンピュータは汎用的な性能を上げつつ、ところどころで専用的に道具に組み込めるものは組み込んで用途を最適化していく、という進化の仕方をしています。音楽プレイヤーやカメラ、自動車なんかはサイズ的にも無理なくコンピュータが組み込まれた例と言えます。

今は昔よりいっそうコンピュータを小さくできるようになりましたが、シリコンバレーの回路設計の技術者に話を聞いてみると、たとえば回路基板やCPU設計の効率化はある程度の限界も見え始めているらしいです。ムーアの法則も無理だ無理だと言われ続けながら今まで何度も乗り越えてきましたが、本当に今度こそ、今のアーキテクチャでは物理的な小型化の限界が見え始めてきた。つまり汎用機としての計算性能向上の道は、終点がちょっとずつ近づいているという風にも言うことができます。

そんな時、画面の中ではとんでもなく自由にインターフェイスデザインができて、多すぎもせず少なすぎもせず、必要な時には出すけど普段不要なものは隠せる、タッチパネルという方式がでてきました。でてきたというか、iPhoneがタッチパネルの正しい使い方を教えてくれました。

多機能でありながら、それぞれの用途に対しては専用機のような振る舞いを見せる。Appleが出したこの回答によって、長きにわたって続いた「専用機でユーザビリティを高める」VS「汎用機でケーパビリティを高める」の論争には終止符が打たれるかもしれません。少なくとも、一般ユーザに対しては。

タッチパネルは物理的フィードバック(クリック感など)が無いことが操作上の難点でしたが、クリック音やバイブレーションのような疑似フィードバックではなく、画面自体を浮き上がらせて触覚フィードバックを持たせる技術が徐々に出てきています。(これは視覚障害者用の物理ディスプレイデバイスの開発によって研究が進んだ技術と言われています。)触覚フィードバック付きタッチパネルについては
アップルも特許を出願しています。

また、とんでもなく自由なインターフェイスデザインを二次元だけでなく三次元で実現しようという研究もあります。

Nokiaはナノスケールで自在に変形するMorphという携帯電話コンセプトを発表しています。



Intelでは、Programmable Matterという小さな粒をプログラミング可能にして立体物を自在に変形させる技術が大まじめに研究されています。


少しずつではありますが、コンピュータを組み込んだ製品に、道具として物質性とか身体性を考慮したデザインが入る余地が増えてきています。単なる専用化でも単なる汎用化でもなく、「汎用品なんだけど、その都度形を変えて用途に最適化する」という、両立の形が見えてきたような感じですね。それがモーフィングコンピュータという概念です。
iPhoneやiPadのことを二次元モーフィングコンピュータだと考えてみると、iPhoneやiPadがなかなかマルチタスク機構を採用しない理由が少し分かっていただけるのではないでしょうか。


昨年はセカイカメラも大いに話題となりました。3D映像やAR技術のように、実際にはそこにないものをあるように見せる、疑似的な物質感を出す技術も発達してきていますね。道具のデザインの未来では、「アナログ」と「デジタル」はいつか区別のないものになり、「物質」か「非物質」かという区別をするようになるはずです。

ARについても、シリコンバレーにいると色々と見えるものがあります。この技術のトレンドについても、また近々レポートしたいと思います。

2009年6月14日日曜日

Amazon Kindle DX買ってみた。使ってみた。レビューしてみた。

こんにちは。初投稿のtadateruです。
僕の詳しい自己紹介は今度します。

どちらかというとKindleの方を一刻も早く紹介したいです。

僕は現在サンフランシスコ在住なのですが、本日、注文していたAmazon Kindle DXが届きました。



実はアメリカには引っ越してきたばかりで、デジカメは持ってきたもののSDカードリーダーやUSBケーブルが無いというお粗末な状況です。奇麗な写真は時間があれば後から追加するとして、日本語最速レビューを目指してiPhoneのカメラで頑張りたいと思います。
わくわくしすぎて何も考えずに一回起動しちゃったので、今回は開封時の再現からはじめます。

* * *


まず箱から。

さすがAmazonというべきか、全体的に段ボールの"味"をうまく使っています。
写真は可愛いバーコード。




段ボールの内側が上質の黒です。ちょっと驚きました。



内蓋を取ると、いきなり本体。いい感じです。

ちなみに、画像ではなにやら絵が表示されちゃってますが、
電子ペーパーの画面には初め、
電源ケーブルを挿したら起動するよって書いてありました。

起動前の製品にありがちなシールによる表示じゃないのが、
書き換え以外電力要らずの電子ペーパーならでは。





本体を抜いたら、電源ケーブルと、本当に簡単な説明書だけ。


* * *

本体について


起動したての画面。さっきのバーコードはこの絵ですね。



外観はこんな感じ。持ってみた感じは非常に軽い。そして薄い。



裏面はステンレス?
安っぽさと軽量化をギリギリのレベルでバランスとってる感じ。

鉛筆と比較する人は多いと思いますけど一応やってみました。


起動してすぐに、携帯電話ネットワーク網とつながったようで、
何もしてないのに"welcome tad!"的なファイルがでてきて驚きました。
Amazonアカウントと連動してるから何の設定も必要ないみたい。





操作の系統はシンプルなのですが、結構使いづらいです。
各ボタンが小さいのとフィードバックが弱いのとで、
操作している時のクリック感や気持ちよさはないです。

右端の正方形のボタンが5way key(クリッカブルな十字キー)です。

* * *

Kindle Store、読書と読書の円滑化


本体内にPDFの詳しい取説が入っていますが、もちろん取説など読みません。
すぐにMenuボタンからKindle Storeにアクセス。
Amazon.comと同じリコメンドや、新聞や雑誌等のメニューが並びます。



キーボードから入力。予想通り少し打ちづらいです。 inside steve's br...

brain!

読みたかったけどKindleのためにとっておいた本です。
Kindle価格は少し安くなっているみたい。
でもAmazon.comで見ても同じぐらい安かった(+$2)です。


買う前にサンプルが読めるようなのでTryしてみます。


ダウンロード中の画面です。
サンプルのダウンロードは1分程度で終わりました。




ここまで、ネットワーク関係の特別な設定は何もしていません。
携帯電話のネットワーク網を使っているんですよね。
通信費も気にしなくていいみたいです。


Cover。



目次はハイパーリンクになっていて、飛べます。



電子ペーパーの解像度が高く、視認性はとってもいいのですが、
コントラストの低さや反射が少し気になる時があります。


5way keyを操作すると単語ごとにカーソルが動きます。
辞書機能はどこかと一瞬探したのですが、なんと!
目当ての単語にカーソルを置いただけで自動的に意味を表示してくれます。
速い…。これはとっても助かります。


試しに"Jobs"で調べてみると・・・
ふむふむ、
Steven (Paul) (1955- ) U.S. computer entrepreneur. He set up the Apple Computer...
って、Steve Jobs本人じゃないですか。
なるほど、ニュース記事を読む時のために、
各界の著名人も辞書入りしてるわけですね。

素晴らしい!外国人には本当に助かります!



ちなみにここでエンターキーを押すと、
読んでいた本は一度閉じられて辞書が開きます。

意味がたくさんある語句は簡易版では表示できませんからね。





BACKボタンを押せばすぐに読書に戻れます。
操作系統で唯一誉めてあげたいのはこのBACKボタンです。
直前の動作が何であるかに関わらず、戻ってくれるようです。
決定ボタンの真下にあることで、操作がかなりスムーズです。




5way keyをクリックする(不安げに押し込む)と、
ハイライターの機能が使えます。

キーボード入力でノートを付けることもできます。
(写真は時間ある時にでも撮ります)



ハイライトした部分やノートを付けた部分は、
あとからまとめて確認することができます。
前後の文脈まで表示してくれて、よく出来ています。

もう付箋を貼ったりページの端を折り曲げたりしなくていいんですね!




もちろん、検索もできます。

検索結果の画面も、前後の文脈を合わせて表示してくれます。




文字サイズや表示領域を変えることができます。
変更後の写真は割愛。


text to speechと見えると思いますが、この機能はちょっと感動しました。
テキストを割と流暢に読み上げてくれます。
ちょっと不自然な読み上げもたまにありますが、
読む←→聞くをシームレスに行ったり来たりできるのは、
ちょっと新しい体験ではないでしょうか。


* * *



PDF閲覧機能


USBケーブルで本体とPCを繋げば、
PDFを転送して閲覧できると聞いたのでやってみました。


PDFを表示してみました。

ちなみに写真の方は大学時代の恩師で、
その下の写真は僕が彼の研究会に所属していた時の活動です。




傾けた方向に自動的にrotateします。この機能は切ることもできます。
寝っころがって読みたい時もありますもんね!


拡大しても、写真の質感は悪くないです。




次はScansnapでスキャンした本のデータです。
画像データのPDFなので文字化けしません。



漫画はこんな感じです。

・・・いいですね!最高!


個人的な話ですが、実は4年間(予定)の渡米が決まってから、
Scansnapで本や漫画を大量にスキャンしました。
PDFで本を数百冊持ってきているので、快適に読む方法を探していました。
Kindle DXは最高のパートナーになってくれそうです。



* * *


本とかPDFを読む以外の機能


prototypeまたはexperimentと宣言して、
いくつかの機能が付加的に入っています。

ウェブブラウザ、読書中の音楽再生、テキストトゥスピーチの3つです。



webを表示した時はこんな感じ。
日本語の文字は残念ながら表示されません。

スクリーンセーバ作動時の文豪画像が何十種類もあって、飽きない。
こういう工夫は使う楽しさや新鮮さをキープしてくれるので良いですね。


* * *



ふう、以上です。





総括


以上、あまりまとまりがなく散らかったレポートだったと思いますが、いかがでしたでしょうか。


僕自身は、電子ペーパーのデバイスは、2年前にiLiadを使っていたことがあるのですが、ただでさえレスポンスの遅い電子ペーパーディスプレイに、難解な操作系統を求められたため、ストレスに耐えながら使用していました。
その時に比べると、Kindleはかなり操作系統はシンプルだし、レスポンスも十分速いと思います。画面の解像度もグレースケールの階調もかなりアップしていて、2インチの差はものすごく大きく感じました。


ですが、Kindleの操作感も決して気持ちのいいものではないです。電子ペーパーのレスポンスはいくら速くなっても"待つ"感覚があります。表示の切り替えに即時性がないことは、レスポンス時間の問題だけではありません。アニメーションという、操作の気持ちよさやフィードバックの正確性を構成する上で重要な要素がすっぽり抜け落ちているため、電子ペーパー技術の進歩を待つ前に何らかの工夫が必要です。
また、入力インターフェイスに関しても貧弱なものであることは否めません。用途が閲覧なので、性質として入力頻度がそこまで高い機械ではないですが、ボタンに関しては見た目と生産のしやすさ重視な感じがムンムンです。配置や配列も改善の余地があります。総合的に見て、読書体験はまだ本の方が勝っています


とはいえ、現行の電子書籍端末と比較すると、完成度は非常に高いです。
日本にいる自炊派の電子書籍ユーザーが、単なるビューアとして買ったとしても十分に活用できるデバイスだと思います。(追記:日本語のフォントが埋め込まれているPDFファイルが読めるとの情報もあるようです。)
ちなみに(うろ憶えの知識ですが)他社も新製品を出しています。日本ではAmazon Kindleよりも手に入れやすい製品もあると思いますが、他の製品は帯に短し襷に長しなものが多いです。coolerは安いけど旧世代の電子ペーパーの在庫処分みたいな印象を受けますし、新しい大型のiLiadは機能を持たせすぎているためか価格が非常に高いです。Sony Readerも画面のサイズが足りない印象を受けています。液晶画面でもOKならcrunch padも選択肢に上がるかもしれません。



Kindleは、何の制約もなしに単純な転送だけでPDFがそのまま読めて、このサイズの電子ペーパー、この軽さと薄さを備えていながら$500という価格で、非常に競争力があります。まだ高いって言ってる方もいるみたいですが、今までの電子書籍デバイス状況を知っている身からすると、Kindle Storeが使えない分を差し引いてもまだ安く思えます。


近頃はiPhoneで読書される方も増えているようですが、専用機器でできるだけリッチな体験をするのも良いものだと思います。iPhoneの読書アプリにもかなりいいものがそろってきていますが、画面のサイズと解像度だけは変えようがありません。僕自身は、読書は画面の大きさで体験の豊かさがかなり左右されるように思います。
ということで、繰り返しになりますが、Kindleは日本在住の方でも、用途によっては十分考慮すべきデバイスです。


さいごに、深読み。
Kindleは一年半前に発売されたにも関わらず、もう三機種目ですが、果たしてどれだけ売れているのかは疑問です。サンフランシスコに来て一ヶ月、たくさんカフェに行きました。一台ぐらい見てもいいものですが、持っている人を見たことがありません。Amazonは最初から立て続けに新機種を発表することで話題を維持し続けつつ、アーリーアダプターだけに狙いを絞って電子ペーパーの価格を下げながら製品の品質をじわじわ向上させる戦略に出ているように思えます。かつてソニーや松下が消費者の顔色をうかがいながら新製品を恐る恐る出したのと対照的に、売れるか売れないかに関わらず新製品を用意し続けているKindle Projectには…Amazonの本気度を感じます。個人的にはKindle DXもAmazonの本命ではないような気がしています。
おしまい。



追記 (14日 AM2:58JST)

本体内のマニュアルには、ファイルのサポートについて以下のようにかいてありました。
(Kindle本体のハイライト機能によるテキスト抽出を使ってみました。)
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Kindle DX User's Guide (Amazon.com)
- Highlight Loc. 1119-26 | Added on Saturday, June 13, 2009, 10:31 AM

Supported Formats for Conversion In addition to the file formats listed above, you can also convert other personal documents to read on your Kindle. The supported file formats are listed below: • Microsoft Word (.DOC) • Structured HTML (.HTML, .HTM) • Text and RTF (.TXT, .RTF) • JPEG (.JPEG, .JPG) • GIF (.GIF) • PNG (.PNG) • BMP (.BMP) • Compressed ZIP (.ZIP)
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試しに手持ちのjpg漫画ファイルをzip化してみたら読めました。画面左上にディレクトリ構造らしき表示が見えると思います。表示はできるものの、画像サイズによっては少し重たいです。またjpgファイルの場合PDFと違ってページ移動のランダムアクセスができません。jpg自炊派の方には、あまり使い勝手がいいとは言えないかもしれません。
(やり方が悪いのか、zipとpdf以外のファイルの表示には今のところ何故か失敗しています…)

それから日本語はフォントが入っていないため、ファイル名の日本語は表示されません。また、自分ではまだ試していませんが、
日本語フォントが埋め込んであれば日本語表示可能。ただしフォントサイズ調節不可という報告をしている方もいます。

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