2011年10月15日土曜日

いまインターネット広告を出稿するなら知っておきたいこと

インターネット広告の仕事をしています。主にリスティング広告。
その中でたまにお客様から受ける相談で、「ここ数年でCPC(クリック単価)が上がる一方で困っている」というものがあります。でもこれ、もう断言しちゃうと基本的には今後CPCって下がらないと思うんですよ。

いや、話としては単純なのですが、リスティング広告ってオークション制で成り立っているんです。どういうキーワードで検索された時に自社の広告を出したいか、ということに関してキーワード単位で「うちは●円までなら払いますよ」と最初に表明しておくんですね。ヤフオクとかを考えて見れば分かると思うのですが、オークション制である限り値段って下がらないですよね?で、さらにインターネット広告は「試してみよう」って思う人の数がどんどん増えている、つまり入札者が増えているので基本的にはCPCの全体平均は上がっていくはずなんです。(個別企業のCPCは勿論改善できる場合があります)

ちなみに一つだけ例外を挙げておくと、その業界が一気に冷え込んだ場合にはCPCが下がる場合はあります。例えば実際、リーマンショック前まではCPCが高騰していた人材業界では、その後各社が広告を控えて一気にCPCが下がりました。でもこれは広告需要が減ったから価格が下がったわけで、やはり需要が継続的にある業界ではCPCの低下に期待はできません。

オークションという仕組みでは、適正な価格、つまり広告主が払ってもいいと思う限界の価格までCPCが上がり、そこで上昇がストップするはずです。個人的には、リスティングのCPCはこの壁にぶつかってしまっていると思うのです。

1クリックあたりの単価はもう下がらない、上がるだけ。では広告の効率性は悪化するばかりなのでしょうか?

効率性という観点で言えば、1クリックの値段が同じであっても、自社サイトに推移した後にコンバージョンにつながりやすければ効率が良いと言えます。ですから、CPCが上がるばかりのいま、いかにコンバージョンにつながりやすいクリックを沢山獲得するのか、もっと言えばいかにコンバージョンにつながりやすいユーザーにインプレッションさせるのか、という観点が今後のインターネット広告では重要になります。

これをやっているのが昨今話題に上がっているアドテクノロジー系の話ですね。予めコンバージョンにつながりやすそうなユーザーにだけインプレッションをする、というようなことがいま可能になってきました。(このあたりの詳しい話はnoogleさんのブログなんかを是非ご覧になってみてください)

「安く獲得が出来て、かつすごい勢いで成長し続けている」というかつてのインターネット広告は、今や過去のものとなりつつあります。これまではやってみるだけで効果が上げられたとしても、これからインターネット広告で成功するには新しい技術に目を向けていくことが不可欠でしょう。広告主の方々は、インターネットの潮目の変化と新しい技術への投資の意味をしっかり理解し説明することがこれまで以上に重要になりそうな気がしています。

で、僕達も広告主の方々がそれが出来るようにお手伝いしていかなきゃいけないんだよなあ、とそんなことを思いました。締まりが無いですが、そんな感じ。

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