2011年11月23日水曜日

Facebookが開発中の携帯電話とNFCで消費行動が一変する

FacebookがHTCとモバイル端末を開発しているというニュースが報じられました。この端末はAndroid OSベースでありながら、OSとFacebookが深いレベルで統合されたものとなるようです。これ、なんでOSから開発するのかって疑問に思いませんか?もちろんFacebookのいろんな機能をプリインストールするとかあると思うんですけど、個人的にはその理由のひとつはNFCとの統合だと思うんです。

NFCという言葉にあまり馴染みがない方のために簡単に説明しておくと、NFCというのはNear Field Communicationの略で、要はおサイフケータイの世界的な規格です。「ピッ」とか「シャリーン」とかやると支払いが出来たり電車に乗れたり、ってのが日本だと普通ですが、最近Android OS(version2.3から)にも組み込まれたことで、海外ではこれから流行るところなわけですね。

Facebookの個人のデータとNFCの行動のデータが組み合わさると、生活が変わるくらいの可能性を秘めていると、僕は思っています。いまwebサービスでO2O(Online to Offline)という概念が流行っていますが、FacebookとNFCの組み合わせはOnline to Offline to Onlineとでも言える仕組みを可能にします。

これが実現すれば、たとえば以下のようなことが出来るようになるでしょう。

1. オフラインコンバージョンを測定する
これまでもFacebookのファンになると特典を、というキャンペーンをお店で独自にやった例はあったと思います。これがNFCとの統合によってより効率的に出来るようになるでしょう。そのお店のファンになった状態でNFCで決済すれば自動的に●%引きにする、など、Facebookのファンページにお店のポイントカードのようなロイヤリティプログラムとしての側面を持たせることもできます。

またこれによってオフラインでのコンバージョン(購入)をカウントすることが出来るようになります。たとえばキャンペーンで広告を投下した結果、ファンのうちの何%が今日来店して、一人あたりどれくらい買ったのかということも分かるでしょう。そうすることでオンライン広告がオフラインの購入に与える影響を測定することも可能です。


2. 実生活の行動をソーシャルで伝播する
また、NFCのデータをFacebook上に投稿することで、実際の自分の行動をFacebookフレンドに伝えることも出来ますね。最近、Facebookの画面右上にティッカーという機能が追加されましたが、たとえばここに「Taro Yamadaさんがビックカメラでデジタル一眼レフを購入しました」とか「Hanako Saitoさんが渋谷駅で電車に乗りました」とかそういった友人の現在の行動というのが流れてくるイメージ。これによって、例えば「デジタル一眼レフを購入した」という事実をもとにしたコミュニケーションが生まれます。(実際にはプライバシーの観点が出てきますが、Facebookにはいつでもつきまとう問題なので今は置いておきます)

3. 「いま●●している人」に対して広告を打つ
「実生活で、誰がどんな行動をしたか」というデータは広告にも影響を及ぼします。今年のFacebookのカンファレンス、f8では上記ティッカーに出てくる行動に対して広告を打てるようになることが示唆されています。これは現時点ではFacebookアプリのみに関して言えることですが、これにさらにNFCが加わることで実生活の行動に向けてのターゲティング広告、本当の意味での「行動ターゲティング」が出来るようになるはずです。たとえばSuicaのようにNFCを使って電車に乗ることで、「いま電車に乗っている人」だけに対してFacebook上で広告を打つことなどが考えられます。

これらが実現すれば、Facebookは集客、購入、CRM、口コミ伝播と消費行動のすべての段階を押さえることになります。集客から始まり口コミが次の集客へつながる、この一連のループがすべてFacebook上で完結するとなると企業からFacebookに流れこむ資金もより多大なものとなるでしょう。上記はあくまでも予測に過ぎませんが、Facebook Phoneの登場によってFacebookがより一層の強い力を持つことは間違いなさそうです。

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