2009年12月23日水曜日

スタバがコンビニのレジで1杯560円の特大コーヒーを売る方法

もう結構前になるのですが、近くのコンビニ(サンクス)で面白いものを見つけました。
それが、これです。

なんだか分かりましたか?

分からなかった方のために、もう1枚。
真ん中の赤いやつですね。


こんな感じで、男性誌のラックだけでなく女性誌のラックにも積まれています。

実はこれ、スターバックスが出してるアートブックなんですよね。
写真家は市橋織江、テーマは「スターバックスのある風景」。



カバーを取るとこんな感じ。



これってよく考えられたマーケティングだなあ、と思うのです。

例えばこれを広告だと捉えると、写真というコンテンツを皮切りに
スターバックスというブランドに対して興味を持ってもらい、買ってもらう効果がありそうです。
その時に注目すべくは、これが既存の雑誌の広告という形ではないこと。
最近「3つのメディア」という話をよく耳にしますが、その文脈で考えれば、
これは企業が所有するオウンドメディアとも言えるでしょう。
3つのメディアは何も、デジタルの世界だけの話では無さそうです。
もちろん企業の目的にはよるものの、費用対効果で見ても、
マスメディアの枠を購入するよりも売上に直接結びつく成果が得られそうです。

実はこのアートブックにはもう一つポイントがあります。
これ、一冊600円なのですが、買うとクーポンが付いており、
370円のショートサイズから560円のベンティサイズまで、好きなドリンク1杯と交換できるんです。
これは見方を変えれば、コンビニのレジでスタバのコーヒーを売っているのと同じことだと言えます。

マーケティングの4Pをご存じの方は多いと思います。
Product/Price/Place/Promotion ですね。
既存の製品やサービスの売上を伸ばそうと考えるとき、
我々はどうしても最後のPromotionの枠の中で考えがちです。
しかしスタバが今よりももっと売上を高めようとした時に取れる戦略は
何もPromotionだけではなく、Place、つまり販売チャネルを増やすという方法もあるわけです。

4つのPのうちPlaceを用いた戦略を取った事例で言うと、
有名なのはオフィスグリコの例ですが、
これからは今回のスタバのように、4つのPをまたいだ発想で
戦略を考えることがより重要になってきそうな気がします。

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