2010年1月25日月曜日

webマガジン『84ism』の立ち上げと、メディアの趣味化について。

既にひととおりtwitterで話題になったようなので乗り遅れた感満載ですが、一応告知。
1月23日、@shoshirasakaという友人を中心にして、1984年生まれの人たちによるwebマガジン『84ism(ハチヨンイズム)』を立ち上げました。
84ism(ハチヨンイズム) 育ち続ける等身大ウェブマガジン
http://84ism.jp/

ちなみに@shoshirasakaは、ブログパーツ「ざわざわ化ボタン」やピューと吹くジャガーのジャガーさんbotを作ったヘンテコで面白いデザイナーさん。
僕は行けなかったのですが、23日土曜日には84年生まれを集めて創刊パーティーもやったみたいです。

僕は「ウゴクコウコク(動く広告)」というコラムのライターとして参加中。
街やwebで見かけた「人を動かす」面白い広告や、今の時代に「動いてゆく」広告の変化を書いていく予定です。
位置づけとしては、こちらのブログが広告やweb、メディアに元々興味がある人に向けて書いているのに対し、あちらはいろんな人に見て頂けるような分かりやすいものを書きたいなと。
もしかしたら内容が被ることもあるかと思いますが、そのあたりはご簡便。
ちなみに第1回目のテーマは、1984年生まれの人のメディアということで、AppleのCM「1984」を取り上げました。
是非こちらの記事、読んでみて下さいな。

さて、創刊についてはtwitterでは既にある程度話題になった感があるので、今回は僕がこのwebマガジンが面白いと思った2つの理由についてちょっと書いてみたいと思います。


1.同年代という切り口
普通メディアというと、趣味や嗜好が似た人たちをターゲットとして●●についてのメディア、という考えになるかと思います。
こうなりがちな一つの理由は、メディアは広告を取らなければやっていけないという前提があるからではないでしょうか。
後述しますが、広告を取ること、つまりお金儲けを目的にしない場合はこのルールを破ることが出来ます。

対して今回の世代カットのメディアは、ジャンルを固定する必要が無くなります。
つまり、デザイナーも広告屋さんもメーカーに勤める人もフリーターも経営者も主婦も鳶職も、「1984年生まれ」というタグを持っている人であれば全部一緒くたに語ることが出来るわけです。
だから編集長の@shoshirasakaとか副編集長の@eshintaroとかと最初に話していたのは、「これって学校だよね」という話でした。

今でこそ僕らは広告とかwebとか、自分と近い興味の人達で固まりがちですが、公立の小中高校って、かなりいろんな人種(という表現が正しいか分かりませんが)が混じり合っていたと思うのです。
だからこそ他人と比較して色々なコンプレックスを感じたりそれを直そうとしたりしますし、苦手なタイプも含めて全然違う人からいろんな影響を受けていたはずです。
いま大人になって振り返ると、そういう場所って結構必要なんじゃないか。
無いものねだりかもしれませんが、そんな風に思ったのです。
だからここを学校としてもう一度いろんなタイプの人が集まって、その中の出会いから人生の方向性が180°変わる人とかが出てきたら面白いなーと思います。

また「生まれた年が同じ」という切り口でのメディアであれば、サブタイトルにあるようにメディア自体が「育つ」ことが出来ます。
つまり、25歳の時は25歳の時に考えることを共有でき、30歳では30歳、60歳では60歳と、僕らが育つと同時にメディアの存在意義も変わる。
これも今までは有り得なかった、非常に面白い特性であると思っています。

2.趣味としてのメディア
最初に僕がこの話を聞いてmtgに顔を出した時に、最初に聞いたのが「儲けるのって目的?」でした。
答えはNOでした。その瞬間、「参加したい!」と思いました。

これまでメディアを運営している人達の多くはお金儲けが目的でした。
もう少し詳しく言うと、これまでは制作や運営にコストがかかるからお金が儲からない限りは立ち上げることが難しかったわけです。
これが今、状況がかなり変わってきています。

僕たちがこのメディアについての話をする時、目標としていた一つのメディアがありました。
それが、東京ナイロンガールズでした。
このメディアもやはり、運営メンバーの方々はこれ以外の仕事を別に抱えています。
今でこそ広告も入っているものの、このメディアは「収益化出来なくても別にいい」ものだと思うのです。
このスタンスは自分たちのやりたいことを追求できるという意味で、本当に魅力的だし、もっとそういうメディアが増えたらいいと思った。
それで僕たちも84ismというメディアを作ったのでした。

趣味としてのメディアという話であれば「それってブログと同じじゃん」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし一つ、圧倒的に違うことがあります。
それが「編集権」です。

これまでのブログでは「執筆」という行為を一般のユーザーに降ろすことには成功しました。
でも「編集」はまだどうしても、マスメディアの特権という印象があります。
僕が考えるに、この「編集権」も今後一般ユーザーが普通に持てるものとなると思うのです。
(編集については色々思うことがあるので、この考察はいつかまた書きたいです)


今後こういったメディアの運営は益々ふつうの人たちが趣味として、或いは兼業として行うことがきっと増えて行くでしょう。
音楽を奏でたり絵を描いたり写真を撮ったりすることが趣味として行われるのと同様、執筆や編集というクリエイティブな行為ももっと一般的になってよいと、僕は思います。
そもそも僕たちの世代あたりから、大学生がフリーペーパーを作るというのが流行りだしており、「自分たちでメディアを作り、持つ」ということは当たり前になり始めています。
いわゆる「普通」の人達がメディアを持ち、それが既存メディアと競合すれば、既存メディアはもっと良いものを作らなければいけなくなるはずです。
これは非常に健全で、面白いことではないでしょうか。

というわけで84世代の皆さんは、是非参加してみて下さい。
またそれ以外の方々も、趣味のメディア、立ち上げてみてはいかがでしょうか。

1 件のコメント:

  1. とても興味深い内容でした。
    この記事を読んでふと思ったのが、専用機と汎用機ではそれを使う側に必要な基礎知識の量が違うと言うことです。マルチタスクで何でもできますよ、と言うと全体が複雑になり、ソフトウェアの使い方など覚える量が増えることになるでしょう。Macの場合、そう言う部分をなるべく隠して、基礎知識の少ない人でも何も考えずに操作できるようにして、利用者を増やそうとしているのでしょうか。専用機ならばそれ自体の操作のみを覚えればいいわけですし、作る側の敷居が下がるのではないでしょうか。

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