2010年2月13日土曜日

文化庁メディア芸術祭のBraun Tube Jazz Bandがモノ凄い。

休日の木曜日に行って参りました、文化庁メディア芸術祭。
今年も面白かったです。
その中で、個人的に断トツで面白いと思った作品がありました。
是非いろんな人に見に行ってほしいので、紹介します。
それが、Braun Tube Jazz Band

Braun Tube Jazz Bandは「Band」という名前からも分かるように、
演奏することで完結するインスタレーションです。
ただ、この時に演奏する「楽器」が非常に面白いのです。
楽器は、以下のようにブラウン管テレビを並べて構成されています。



演奏に使用するのが、真ん中にある8つのテレビ受像機。
これらの画面を叩くことで様々な音を出し、ティンパニやドラムのように音を奏でます。



ブラウン管テレビの画面を叩いて何故音が出るのか。
その仕組みこそが、Braun Tube Jazz Bandの最たる特徴となっています。

仕組みはまず、音階やドラムの音を音源として、サウンド出力します。
これをブラウン管テレビの映像端子に入力。
すると、テレビにいわゆる砂嵐のような、白と黒の模様が浮かびます。
これが録音された音をそのまま映像化したものとのことです。
演奏者はギターアンプに繋がれたシールドを身体に直接触れさせた状態で
テレビの画面に触れることで、映像信号を身体を通して再度音声信号に戻します。
この音がアンプから出ることで演奏が成立するようになっているのです。
(説明があまりうまく出来ないので、詳細は作者である和田永さんのオフィシャルブログでどうぞ。)

実はこの和田さんは、昨年もOpen Reel Ensembleという作品で受賞をされています。
こちらは昔ながらのオープンリールを用いて、DJさながら
回転を制御・調節することで音楽を奏でるというものでした。

しかし、個人的には今年のBraun Tube Jazz Bandの方が好きです。
打楽器やティンパニを演奏する様子が頭の中に既に思い描ける僕たちは
「ブラウン管テレビを叩いて音を出す」という非常に似た動きで
有り得ないことが起こっているそのギャップに驚きを感じます。
この身体性にこそ、作品の面白さがあるのではないかと僕は思います。
Open Reel Ensembleの場合は頭で考えて「なるほど、凄い」という感じでしたが
Braun Tube Jazz Bandは見た瞬間に直感的に「すげー!!!」という感じでした。

もう、読んでいる人は途中から何言ってるか分からないと思いますが
是非足を運んで、観に行って、聴いてみて下さい。
びっくりすること請け合いですから。
文化庁メディア芸術祭は、明日14日まで国立新美術館にて開催中です。


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