2010年3月21日日曜日

ユーザー・ジェネレイテッド・プロダクト?

オリヒメ」という名のバッグブランドがあります。このブランドを運営している木下さんは慶応大学湘南藤沢キャンパス(SFC)に通う、現役の大学院生の方。ブログを拝見したところ、彼女も1984年生まれだそうで、なんだか親近感を持ってしまいました。

オリヒメのサイトを見ると、「みんなで創るバッグブランド」というコンセプトになっています。このブランドの噂は以前友人から聞いていたのですが、その時聞いた話によれば、全員がノートPCを持っているSFCに通っていた木下さんが「ノートPCを入れる可愛いバッグがない」と感じたところに端を発しているそうです。これはきっと、木下さん自身がコアになるターゲットだったと思うのです。つまり見方を変えれば、ユーザーが自ら商品を作り出した、と言えるのではないでしょうか。

「ユーザーが商品をつくる」はオリヒメのサイトにも反映されています。ここでは、ある一定の型に沿いつつも、バッグの大きさ、色や素材、チャームなどの細部をユーザーがデザインし、ほかのユーザーの投票によって実際に販売される商品が決定する仕組みになっています。言わば、クラウドソーシングとギャザリングを足した仕組みと言えるでしょう。

90年代以降、消費者の好みが多様化したと良く言われますが、好みが細分化されればされるほど、企業がそれぞれのニーズに合わせた製品をつくるのは難しくなります。そうすれば当然、自分が欲しい物は自分で作ってしまえ的な人が増えるでしょう。ギャザリングで人を一定数集めて商品化とすれば、在庫リスクも最小限に抑えられるはずです。また通常の製造業に比べればリスクが少ないため、大きな企業にしようと思わなければ、数人の会社で普通の会社員より少し高い収入を得ながら生活することも出来るのではないでしょうか。

週間ダイヤモンドのFREE特集を読んだところ、『ロングテール』『FREE』と来たクリス・アンダーソンの次のテーマは『マイクロ製造』とのことです。その中身がどんなものか、僕はまだ分かりませんが、これからの時代
商品開発はクラウドソーシングでアイデアを紡ぎ、
在庫リスクをギャザリングで最小に抑え、
生産をファブレスで外注化し、
販売は店舗を持たずにEコマースで行い、
購入はソーシャルショッピングで共有される。
そんなメーカーが当たり前の世の中になると面白いな、と思いました。

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